資産形成の方法として積立NISA(正式名称:つみたてNISA)が注目を集め始めています。
金融庁の発表によると2021年3月時点で360万口座が開設されており、特に最近は20代・30代の新規口座開設が増加傾向にあるようです。
一時期話題となった老後2,000万円問題で危機感を覚えた方が、積立NISAにより資産運用をスタートさせたのかもしれませんね。
私は子供が産まれたのをきっかけに積立NISAを始めました!
一方、最近になって就職や結婚、子供の誕生によりライフステージが変化し、積立NISAに興味を持ち始めて情報収集をしている方も多いと思います。
当記事に辿り着いた方は情報を集めている途中であったり、積立を開始して間もない方が多いと思います。
今から積立NISAを始めても遅いかな…
積立NISAを始めたけどなかなか資産が増えなく不安…
積立NISAは今から始めても資産が増える可能性が高い投資法です!
- この記事を書いた人
Twitter(@sawao_kabu)
結論:積立NISAは今からでも遅くない!
まず結論から言いますと、積立NISAは今から始めても遅くないです。
そもそも制度が始まったのが2018年1月なので、長い方でも4年ほどの実績しかありません。
誰もが20年先のゴールに向かって走り始めたばかり、今から始めても「早くにつみたてNISA」を始めた人ということになります。
その他、株価指数やファンド選びの面から「今からでも遅くなり理由」を解説していきます。
- 今から積立NISAを始めても遅くない理由
- 積立NISAおすすめのファンド
- 積立NISAを継続するために大切な心構え
- インデックス投資について分かる良書
積立NISAを今から始めても遅くない3つの理由
①20年の長期投資において開始時点の株価は重要ではない
積立NISAは非課税期間の20年間ひたすらファンドを買い続ける「インデックス投資」という投資手法をとることになります。
人が産まれてから成人するまでの20年という長期間、毎月積立により複利で資産を増やす投資です。
「下がったタイミングで始めればすぐに利益が出そう」
そのように考える方も居るかもしれませんが、未来の株価指数を正確に予想することは不可能です。
だからこそ、20年の長旅になる積立NISAにおいてはスタート時点の株価指数よりも、
- 余剰資金でとにかく早く始める
- 20年続ける断固たる決意
- 成長を信じることができる指数に投資
- 優良ファンドを選択する
これらが圧倒的に重要です。
残りの人生で今日が一番若い日です。
積立NISAを始めようか迷っている間に20年後の自分に残すことができる時間は減っていくばかり。
投資を始めるにも見送るにも、しっかり情報を集めて納得した上で判断していきたいですね。
②世界経済はアメリカを中心に成長し続けている
ここ数年でみると新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や、昨今のウクライナ情勢の悪化により短期的に株価が下落したり経済成長が鈍化することはありますが、長期的に見れば世界経済は成長し続けています。
そしてその成長を支えているのはGAFAMといった巨大なイノベーション企業を抱えるアメリカです。
これから20年先にどのようなイノベーションがもたらされているか、それは予想することしかできません。
ただ今から20年前を振り返ると、例えば携帯電話は二つ折りのガラケーから高性能なスマートフォンに変わり、回線速度も高速化が進んでいます。
自動車はハイブリッドの技術が向上により同じ燃料でもより遠くに行けるようになり、運転サポート機能により安全性も向上しています。
これからの20年においてもGAFAMそして新たなイノベーション企業により、さらに便利にそして豊かに暮らせるようになると信じることができれば今から積立投資を始めても遅くないでしょう。
代表的なインデックス「S&P500」は右肩上がり
アメリカの代表的な株価指数「S&P500」は長期チャートで見ると右肩上がりで上昇し続けています。
リーマンショックや新型コロナにより暴落や成長鈍化も前述したイノベーション企業の登場、日本と異なる人口増を背景に乗り越えて、アメリカ経済は成長し続けています。
S&P500のチャートを見ると、20年投資し続けた場合にはどの位置で開始しても利回りがマイナスになることはありません。
未来の株価指数を予想することはできませんが、伝統的な株価指数で長期的にインデックス投資することが堅実な資産運用であることは歴史が証明しています。
③優良ファンドを選ぶことにより低リスクで投資できる
積立NISAはすべてのファンドが買えるわけではなく、国(金融庁)が認めた実績あるファンドしか買うことができません。
極端に高い手数料を取られたり、資産が突然半分になったりする高リスクなファンドは最初から弾かれています。
用意されたファンドから手数料が低く、利回りが期待できる指数の優良なファンドを選ぶことで、今からでも世界経済の成長に連動して資産を増やしていくことができると考えられます。
私が実際に投資しているファンドを紹介します!
楽天・全米株式インデックスファンド(通称:楽天VTI)
「楽天VTI」は私がつみたてNISAとiDeCoの口座で毎月積立しているファンドです。
純資産総額がまもなく5,000億円に達するインデックス投資をしている方にはお馴染みのファンドです。
- 米国株式市場の約4,000銘柄に広く投資できる
- 信託報酬が低いためコスパ良く運用することができる
- 純資産総額4,800億円を突破した信用度の高い投資信託である
楽天・全米株式インデックスファンド(通称:楽天VTI)はVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)をひたすら買い続けて運用しているファンドです。
楽天VTIを買うことで、GAFAMなどの大企業の株から中小型株まで米国株式市場の投資可能銘柄の約4,000銘柄に広く投資することができます。
つまり楽天VTIを買えば「アメリカの株を全部買う」ことができます。
楽天VTIとよく比較されるファンドに「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」がありますが、ほぼ同等の運用利回りが期待できます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
続いて紹介するのは全世界の株式に分散投資することができる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
Twitter等では「オルカン」と呼ばれる、こちらも楽天VTIと同じくらい人気のファンドですね。
私の場合、オルカンは息子のジュニアNISA口座で毎月15,000円積立投資しています。
- 日本を含む先進国・新興国の約50ヶ国に分散投資できる
- 約3,000銘柄に広く投資することができる
- 信託報酬が0.1144%と超低コスト
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」はこれ一本で先進国、新興国の約50ヶ国の3,000銘柄に分散投資することができるファンドです。
投資する国と銘柄も分散、さらに毎月の積立投資で買付する時期も分散させることができれば、リスクを低減させることができますね。
しかも信託報酬が0.1%台と非常に低コストなファンドなので安心して保有し続けることができます。
楽天VTIが「アメリカをまるごと買う」ファンドなら、オルカンは「地球をまるごと買う」ファンド。
とはいえオルカンの約6割はアメリカの株で構成されているため、前述のS&P500は重要な指数になります。
つみたてNISAを継続するために気を付けたいこと
ここまで読んでいただいて「つみたてNISAを始めてみよう!」と思った方へ、継続するために気を付けてほしいことをお伝えします。
情報が飛び交う現代社会において、20年間淡々と買い続けるというのは想像以上に難しいことです。
継続するためには投資のテクニックよりも精神面の部分が重要になってきます。
【つみたてNISA開始前】支出を見直して余剰資金で積立投資する
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円、月33,333円の積立投資で枠をほぼ満額使うことができます。
今からつみたてNISAを始めようと思っても家計がカツカツでは継続することは難しくなります。
もし現時点で家計が赤字もしくはギリギリ黒字という方は、まずは支出の見直しから始めましょう。
- スマホを格安SIMに代える
- 不要なサブスクを解約する
- コンタクトレンズをやめて眼鏡にする
- コンビニに行かず弁当持参
- タンブラーに飲み物を入れて持参
項目ごとの金額は小さくても、余計な支出をカットすることで意外と簡単に毎月33,333円の積立資金を生み出すことができます。
その上で、多少減っても生活に影響のない余剰資金でつみたてNISAを開始しましょう。
積立設定をガチャガチャ弄らない
投資を開始した当初は自分が買っているファンド以外の値動きが気になり、積立設定をガチャガチャ弄りがちです。
つみたてNISAはドルコスト平均法で「常に一定金額を、定期的に買う」ことが基本なので、積立対象のファンドや積立額を頻繁に変えると変動リスクに弱い運用になってしまいます。
そのためにもスタート時点でしっかりファンドを調べて、特性を理解した上で投資していきましょう。
「人気のブロガーがおすすめしてたから」、「すでに投資している知り合いと同じファンド」という理由で買ってしまうと軸がない投資になってしまうので要注意です。
含み損になっても狼狽売りしない
つみたてNISAで投資し続ける20年の間には、良い時もあれば悪い時もあります。
そして投資をはじめて最初の2、3年がその悪い時にあたり、スタート時点から含み損を抱える続けることがあるかもしれません。
そのような状況で淡々と積立できるかが20年後の資産額に大きく影響してきます。
含み損にストレスに感じない方は少数です。あまり悩まずに「安く買えてラッキー」くらいに考え方を転換できたら理想的ですね。
そのために前述の通り余剰資金で投資することが大切になります。
運用状況を見るのは必要最低限にする
投資を始めてすぐの頃は日々の値動きが気になり一喜一憂してしまいがちです。
短期で株を売買するトレーダーなら刻一刻と変わる株価に注視する必要があります。でも、つみたてNISAにおいては短期的な値動きを気にする必要はありません。
運用状況を頻繁に見続けると狼狽売りに繋がるリスクも高まります。
積立設定をしたら存在を忘れて20年間ほったらかしにするのが理想的ですが、それは中々難しいので月に1回の頻度で証券口座にログインして確認するくらいで良いと思います。
まとめ
今回紹介したようにつみたてNISAは今から始めても遅いということはなく、「とにかく早く始めること」が大切です。
つみたてNISAは口座開設が無料で、利益は非課税、開始したら手間がかからないという国が用意してくれた有用な制度です。
バブル崩壊以降、「投資=ギャンブル」という認識が根強い日本において、リスクを理解した上で積立投資をしているだけで金融リテラシーが高い分類に入ると思います。
当ブログではつみたてNISAを含め私の投資実績を公開しています。
将来の資産形成を目指して一緒に頑張っていきましょう!
これから投資を始める方におすすめ良書
投資についてわかりやすい本が見つからない・・・
もっと知識を身に着けてから実践したいな。
そんな方には私も読んだこちらの本がおすすめです!
インデックス投資:お金は寝かせて増やしなさい
「お金は寝かせて増やしなさい」はインデックス投資歴15年の水瀬ケンイチさん(@minasek)が、基本から実践まで初心者にもわかりやすくインデックス投資について解説している良本です。
「インデックス投資って何?」
「なぜインデックス投資が良いの?」
「具体的に何をすればいいの?」
「どの投資信託を買えばいいの?」
このような初心者にありがちなよくある疑問がこの一冊を読めば解決します。
内容としては
- インデックス投資の解説
- インデックス投資の実践
- インデックス投資の終わらせ方・出口戦略
上記について水瀬さんの15年にわたるインデックス投資の経験から解説されており、特に出口戦略については貴重な情報です。
インデックス投資を勧める本はたくさんあるのですがこの終わらせ方、出口戦略について触れられている本はほとんどありません。
投資を始めるとき、そして出口を意識し始めるときのために読んでおきたい一冊ですね。
もっと簡単に読めそうな本が良いな・・・
そんな方のためにマンガ版もあります!
インデックス投資は一見すると地味な投資スタイルです。
個別株の短期トレードや仮想通貨に比べれば資産が一気に増えることもなく、買い時・売り時を見計らってトレードすることもありません。
それでも全世界や米国株に分散投資しているインデックスファンドに積立投資して20年30年と保有し続けることが、誰でも確実に資産を増やせる方法であることは歴史が証明しています。
「投資=ギャンブル」という認識が根強い日本では、インデックス投資で富を築いた人は少なく、数年前まではまともな金融商品すら存在しませんでした。
それが今では低コストなインデックスファンドが多数存在し、手数料も低くスマホで簡単操作できる証券会社もあります。
これだけ恵まれている環境で余剰資金を銀行口座に入れておく理由は無いと言ってもいいでしょう。
インデックス投資のカギは「いかに早く始めるか」ということです!一緒に将来の資産形成を目指して頑張っていきましょう!
高配当株投資:オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資
「オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資」は、サラリーマンとして働きながら高配当株投資で資産1億円を達成した長期株式投資さん(@budoukamail)が自身の体験をもとに書いた1冊です。
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