今回は私の10代、20代の人生を捧げたサッカーチームのサポーターについてのお話です。
皆さんサッカー観戦はお好きですか?
私は10代・20代の頃、地元のJリーグチームを熱狂的に応援していました。
サポーターとして毎週のようにスタジアムに通っていた私ですが、今はその熱が冷めて2年近くスタジアムに足を運んでいません。
一時期はネット配信サービスの「DAZN」で一応試合は見ていましたが、現在はそれも毎試合ではなくなっています。
今回はサポーターという趣味からは離れて気付いた事、そしてJリーグをはじめとした「スポーツチームを応援すること」との上手な付き合い方について考えていきたいと思います。
あるチームを応援しているけどこのまま続けていて大丈夫かな?
もっと程よい距離感でチームを応援したいな・・・
そんな一時期の応援熱が少し冷めかかっている方が答えを導き出すために、この記事がヒントになれば嬉しいです。
なお、サッカーはファンのことを「サポーター」と呼ぶので記事中は「サポーター」に統一しています。
結論:サポーターは20代の間に一旦区切りを付けるべき趣味
まず結論から言いますと、毎試合スタジアムに足を運ぶサポーターという趣味は20代の間に一旦区切りを付けるべきです。
サポーターを継続することは膨大なお金と時間を必要とします。
時間に余裕があり稼いだお金も自分のために使える間は問題ありません。
責任ある仕事を任されるようになってきたり、結婚や子どもが産まれて生活ステージが変わったりすると、サポーターを続けることは自然と難しくなってきます。
難しくなってからやめるよりも、生活ステージが変わる少し前に応援することから程よく距離を取り、お金と時間の使い方を見直すことをおすすめします。
30代になったら本当に応援すべきは自分です!お金と時間を有効に!!
このような考えに至った理由を私のサポーター人生の歩みとともに解説してきます。
はじめに
私は地元のJリーグチームを15年に渡り熱く応援してきました。
初めてスタジアムで試合を見たのは2003年のこと。
前年の優勝チームで当時Jリーグで最も強かったジュビロ磐田を相手に、地元チームはゴールを奪い善戦。
最後は当時のルールであった延長Vゴールで敗れてしまったものの、ピッチで躍動する選手たちとスタジアムが揺れるくらいに響き渡るサポーターの声量は中学生だった私の心を強く揺さぶりました。
「勝ち試合を生で見たい!」
それからお小遣いを貯めてはチケットを買いスタジアムに通う日々。
そして8試合目で遂に目の前で勝利を収めた地元チーム。
喜びに満ち溢れるスタジアム、誇らしげにピッチを一周する選手たち。
こんなにも幸せな空間が身近にあったなんて・・・
私は完全に心を奪われ、以降200試合以上スタジアムで観戦。大学生になりバイト収入を得てからはアウェイの試合にも参戦するようになり、社会人になってからも長らくサポーター人生は続いたのでした。
生活ステージの変化で冷めたサポーター熱
試合があればスタジアムで応援するのが当たり前。ある種、義務感のようなものに駆られていた私も生活ステージが変わるにつれて応援熱も次第に冷めていきました。
応援熱が冷めることに繋がった要因は下記の出来事です。
理由1 子供が産まれた
結婚して第一子が誕生すると趣味に使える時間は、独身時代に比べて体感的に10分の1くらいになったと思います。
子供を連れて行けば観戦できないこともないのですが、長時間の屋外にいることは子供の身体に負担がかかりますし、試合に集中することも難しくなります。
週末の過ごし方としてスタジアムに行くことはリスクの高い選択になりました。
私のように子供が産まれたのをきっかけにスタジアムから足が遠のく方は多いですね。
理由2 新型コロナの感染拡大
2020年シーズンの開幕とほぼ同時期に、日本国内では新型コロナの流行が始まりました。
一時は試合開催が困難な状況となりシーズンも一時中断になるなど、プロスポーツを取り巻く環境はコロナ流行により一気に変わりました。
どのスタジアムにおいても観客はマスクを着用して声は出さず、手拍子で応援するのが新しい応援スタイルです。
試合中は常に立ち続けてチャント(応援歌)を大声で歌い続けていた時と比べると物足りなさは拭えません。
観戦時に近くにコロナ陽性者がいる可能性もありあすし、さらに黙って観なければならないということでテレビの前で十分と考えるのは自然な流れでした。
理由3 資産運用の中で支出の見直し対象に
結婚を機に資産運用に興味を持つようになり個別株をはじめ、NISAやiDeCoで資産運用に取り組むようになりました。
子供が産まれてからはジュニアNISA口座も開設し、当ブログでも紹介しているように運用額は毎月拡大し続けています。
そして資産運用をする上で大事なのが支出を見直すこと、つまり「倹約」です。
お金の使い方を見直す上で、自分にとってプラスにならない支出を洗い出すと「スポーツ観戦」という項目は削減リストの上位に上がりました。
1試合見に行けばチケット代に飲食代、交通費と家族で軽く1万円は超えるため、少しでも運用に回せる資金を増やせるようにスポーツ観戦からは距離を置こうと考えるようになりました。
それに加えて前述のコロナ流行で、私の中でスタジアムに足を運ぶ意義は完全になくなってしまいました。
理由4 チーム間の経済的格差の拡大
Jリーグに詳しい方ならご存じかと思いますが、基本的に選手はチームと単年もしくは2、3年という期間で契約を結んでおり、契約満了時にオファーがあれば移籍金なしにチームを移ることができます。
移籍金というのは移籍先のチームが、移籍元のチームに支払うお金のことです。それが現在のJリーグではほとんど発生せずに選手が移籍しているのです。
その仕組みにより、資金力があるチームは下位チームで契約が切れた選手をタダ同然で獲得していくため、上位チームへの戦力集中が顕著となります。
資金力に乏しいチームを応援していて、もし有望な若手が台頭してきた場合「オフには移籍するんだろうな…」という思いが常にまとわりつき、活躍しているのに素直に喜べない何とも例え難い感情が湧き出てきます。
ちなみにJリーグの場合、高卒・大卒の新人選手はどのチームに加入するのかはオファーから自由に選ぶことができ、プロ野球のドラフトのような仕組みもなければ、選手移籍時の人的補償のような仕組みも一切ありません。
Jリーグの放映権をDAZNが獲得してから優勝賞金の大幅増額などにより、チーム間の経済格差は広がるばかり。
地域密着を理念に掲げるJリーグですが、格差が広がれば下位チームの存在意義は薄れていき理念の実現は難しくなるのかなと思います。
あれほど通い詰めていたスタジアムが今ではとても遠い存在に感じます・・・
サポーターになってのメリット
さて、ここまでJリーグチームを応援することに対して否定的な面を書いてきましたが、もちろん良かったこともあります。
サポーターをしていて「勝ち試合に立ち会えた」以外に良かった点は下記の通りです。
友人と過ごした楽しい時間
サッカーの応援において、ゴールが決まったときに喜びを爆発させたり、勝利のホイッスルと同時に周りのサポーター達と歓喜することは日常では決して味わうことができない感覚です。
スタジアムに足を運んだ200試合以上のほとんどは友人達と一緒に観戦しており、試合に勝てば高揚感に満ち溢れ、夜遅くまで宴が続くこともありました。
このような非日常の空間を今でも付き合いのある友人達と体験できたことは、ある意味自分の財産かなと思います。
初めて行く街での体験
試合を観戦するために地元でもホームゲームだけでなく、敵地アウェイでの試合に足を運ぶことも多々ありました。
試合以外の時間は観光地を訪れたりグルメを楽しんだりするため、観戦と旅行が合わさったような感じですね。
20代の頃はかなりフットワークが軽かったので片道12時間運転して応援に行くこともあり、サッカーをきっかけにいろいろな街を訪れることができました。
妻と出会うきっかけに
もともと知り合いだった妻と仲が深まるきっかけになったのも共通の趣味であるサッカー観戦でした。
サッカー観戦は試合結果に左右される部分はあるものの試合前に美味しいものを食べて過ごしたり、試合後にはゆっくりお酒を飲んだり、仲を深めるには良い趣味だと思います。
フットワーク軽く少々遠い街でもドライブ感覚で行けたのは、若かりしころの自分の強みだったかなと思います。
就職のきっかけに
サッカー観戦という趣味は何かと自分を助けてくれました。
特に就職氷河期で苦しんだ新卒時代の就活では、採用された企業との面接で趣味のサッカー観戦の話題をきっかけに話がテンポ良く進み、結果的に内定までたどり着くことができました。
同じチームが好きな方であれば間違いなく会話が弾むので、これも貴重な強みだったと思います。
このようにサポーターであることは試合観戦そのものだけでなく、私の人生を豊かにしてくれる出会いやきっかけを与えてくれました。
ただメリットのほとんどは20代までに得たものなので、30代以降はメリットを見出しにくくなっていたのも事実です。
サポーターになってのデメリット
メリットもあればもちろんデメリットもあります。
このデメリットにいかに早く気付けるかが応援しているチームと程よい距離を取るきっかけになるのだと思います。
お金と時間の浪費
何度も言うようにスポーツ観戦は非常にお金がかかる趣味です。
チケット代をはじめスタジアムまでの交通費そして飲食代。ナイトゲームの場合さらに試合後にスタジアム周辺で飲食することもあり、1試合で出費が1万円を超えることも頻繁にありました。
そしてスポーツ観戦はお金だけでなく時間も使います。
サッカーの試合はハーフタイム含め2時間ほどですがスタジアムの開場はキックオフの3時間前、さらにその2時間前から列に並んでいたため休日の1日を費やしていました。
他にやることがなかった独身時代の時間は仕方がないにしても、独身時代はお金を貯める絶好のチャンスだったのでもう少し積立に回しておけば良かったと後悔しています。
私は生活ステージが変わってから資産運用し始めましたが、本来であれば生活ステージが変わる前の少し余裕がある時期から始めるのがベストだと思います。
メンタル面への影響
熱狂的サポーターだった時代、試合結果は私のメンタル面に大きな影響を与えました。
週末の試合で負けると月曜日のパフォーマンスが極端に低下し、仕事にイライラすることも多々ありました。
チームの調子により自分の私生活に影響が出ていたのは本当に良くない習慣だったと思います。
前述のメリットを10代、20代で得られた一方、30代になるとデメリットの方を強く感じるようになりました。
この記事を読んでいる私と同じ30代の方にとっては転換期なのかもしれませんね。
応援しているチームとの丁度良い距離感とは?
応援熱が冷めて分かったことは、スタジアムに通わないことでお金と時間にゆとりが生まれるのはもちろんのこと、精神衛生も保つことができるということです。
私はスポーツチームを応援すること自体を否定するつもりはありません。
ただし30代になったら応援しているチームにお金と時間をフルに注ぎ込むことは避けるべきで、丁度良い距離感を取った方が良いと思います。
私が考える丁度良い距離感は下記のとおりです。
- 試合は基本テレビ観戦(負けが確定したら画面から消す)
- 試合日程をスケジュールの最優先にしない
- グッズは購入しない
- 勝ったら小さく祝い、負け試合は記憶から消す
200試合以上スタジアムに足を運んだ私が今ではこの応援スタイルで十分満足できています。
このくらいの距離感で応援することで平穏な日常を送ることができ、人生をもっと豊かにすることにお金と時間を使えるようになります。
ちなみに勝ったら小さく祝うというのは、週末飲むビールを1本増やすくらいです。
あなたがスタジアムに行かなくても大丈夫。試合はいつも通り行われて結果は変わりません。
サポーターは報われない存在
基本的にサポーターは報われない存在です。
どんなに応援しても勝てない時は勝てませんし、多くのお金と時間が吸い取られ続けます。
サポーターというのはチームの経営側からすれば試合を応援してくれて、チケット代も出してくれて、グッズと飲食でさらにお金を落としてくれる非常にありがたい存在です。
一方でチームがサポーターに与えてくれるのは勝利したときの高揚感、それも毎試合ではなくチームによっては年に数回しか体験できない可能性もあります。
そしてたとえ勝利したとしてもすぐに次の試合がやってきて、再びお金と時間が吸い取られます。
これほどコストパフォーマンスの悪い趣味は他にないかもしれませんね。
まとめ
お金と時間を上手く使って人生を歩んでいくには、「スポーツチームを応援すること」と程よい距離感を保つことをおすすめします。
自分が50代、60代となり子供が独立したり、定年間近になったりで生活ステージが変わったときには、また趣味として熱く応戦する日が来るかもしれません。
そのくらい元気で暮らしていけるように、今は自分のためそして家族のためにお金と時間を使っていきたいと思います。